サイゴンの一夜

01.9.10

もう5年も前の事になる。何か2,3年前かと思っていたので早いものだ。ちょっと時間が経っているので、思い出しながらの感想のようなもの、と考えてほしい。
空港からホーチミン(というよりサイゴンと呼んだほうが僕はしっくりする。実際、サイゴンと冠したフランス系のホテルもあった)市内に向かったのは日も暮れかかる頃。街中をバイクが走り回り、爆竹(?)や花火も少し上がっていたような気がする。何か騒然とした感じだった。ガイドさんに聞いて、ベトナム戦争が終わって20周年の行事の真っ最中だとわかった。そうか、なかなかエポックメーキングな時に来たものだ、運がいいと思った。

ところで、そのガイドさんだが、ホテルの明るいロビーにうすい水色のアオザイ姿で現れた、ような気がする。すこし透けてみえるアオザイ姿のうえに若くて、かわいい。「クン」さんと言った。本物のガイドはお兄さんだが忙しいので変わりだという。結構、結構、運がいい、と参加者。
早速、街に出てみる。花火は川の近くが一番いい、ということでそちらに向かう。どうやら川の両側から対岸目指して打ち上げているらしい。驚いた事に花火のカスが頭上から落ちてくるのだ。頭をかすめたり、服の上に落ちたり大変だ。日本なら観客の安全を考えてこんな事にはならないだろう。なんせ真っ暗な中から落ちてくるから除け様がない。しかし、なかなか楽しい体験だった。

翌日は確か、川(単に川で申し訳ありません。サイゴン川でしょうか--岩手のじさまの指摘によりメコン川と判明)の中洲に向かった。舟で涼しい川面を滑り、ヤシの木、マンゴウ、パイナップルの木が生い茂った中洲に着く。すっかり南国の風情。当たり前だが前日は日本だったので感動的だった。大きな緑の木の下の農家風(?)のコテージで涼しい風の中、マンという、うすい赤色の小さな淡白な味わいの果物、マンゴウ、パイナップルなどを食べた。実は果物があまりすきでない私ですが、とてもおいしく感じた。大満足の一日。

次の日は、市内見物。フランスの植民地だっただけにピンクやイエローのパステル調のホテルやビルが建ち並び、明るい日差しの中、緑が映え、ベトナム戦争のイメージとは程遠い感じがした。郊外に足を伸ばすと田んぼが目立つ。驚いたのは、そのあぜ道のような道路際でフランスパンを板に立てかけて売っているのだ。そういえばコーヒーもうまい。やはりフランスの影響だろう。

ところで、かわいいガイドさん。お兄さんのかわりのアルバイトだけに日本語はあまりうまくない。発音はいいのだが語彙が少なく、「あの公園はなんですか」と聞くと「町の公園です」という具合。ちょっと込み入ったことを聞くとうつむいてしまう。しまいには、何かを聞いて、俯いてしまうと他のメンバーから「難しい事を聞くな」となじられる始末。美人は得だ。

ハイライトは最後の夜。ゴージャスに飾った船上パーティー。華々しい電飾の船が湾内を巡る。船上では歌と踊り、そして料理。サービスも満点。なかでも車えびをナイフとホークで見事に剥くお兄さんは、褒めるとさらに上機嫌で片っ端からつぎつぎに剥いていく。
------というわけで、時間が経ちすぎたせいか、サイゴンの思い出はいいことばかり、になってしまいました。

 

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